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バベルメソッド

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2023.07.25
【調査レポート】日本語を「話す力」をCEFRレベルで判定するオンラインテスト「PROGOS® Japanese」、日本語能力試験との相関を公表

バベルメソッド株式会社(以下、バベルメソッド社)は、日本語で「話す力」をCEFRレベルに基づいて判定するオンラインテスト「PROGOS® Japanese」の受験データから、日本語能力試験(主催:独立行政法人国際交流基金、公益財団法人日本国際教育支援協会)のレベルとの相関を調べて公表しました。

プレスリリースはこちら
PR Times「日本語を「話す力」をCEFRレベルで判定するオンラインテスト「PROGOS® Japanese」、日本語能力試験との相関を公表」

外国人材の就労拡大を目指して開発

外国人材の雇用が増加するなかで、日本語を母語としない従業員の職場におけるコミュニケーションが問題となっています。しかし、日本語力を伸ばすうえで重要になるテストについては、「読む力」「聞く力」を測るものがほとんどで、コミュニケーションに直結する「話す力」を測る大規模テストはありませんでした。バベルメソッド社はこの点に着目し、CEFR基準で日本語を「話す力」を測るオンラインテスト「PROGOS® Japanese」の運営を昨年より開始しております。外国人材の日本語力を適切に評価することで、採用や異動、昇進昇格が適切に行われること、また適切な日本語学習が行われることを可能にして、外国人材の就労拡大の一助となることを目指しています。

オンラインテスト「PROGOS® Japanese」

 - 東京外国語大学との共同研究により開発
 - 口頭による自由回答形式
 - 学習に役立つフィードバックシート
 - 日本語教育学会2023年春季大会(2023年5月28日 / オンライン開催)にて開発詳細を発表(演題「オンライン日本語会話テストの開発 ―AI採点を目指した設計と課題―」

PROGOS® Japaneseと日本語能力試験の相関

調査概要
 - 調査期間 2022年7月26日~2023年6月22日
 - 調査機関 バベルメソッド株式会社
 - 調査対象 期間内にPROGOS® Japaneseを受けた人のうち日本語能力試験のレベルを記入した人351名
 - 調査方法 受験データを集計。バブルチャート内の数字は人数。1名しかいなかった項目は省略
グラフからわかること
■2つのテストに明確な相関関係はない
日本語能力試験のレベルが同じでもPROGOS® Japaneseのレベルはさまざまな人がいます。ここから、「話す力」を直接測るPROGOS® Japaneseと、言語知識・読解・聴解の科目を持つ日本語能力試験のレベルの間には、ゆるい相関はあるものの、二者がはっきりと相関するわけではないことがわかります。

■日本語能力試験の上位レベルに合格していても、話す力が基礎レベルの人もいる
日本語能力試験でN1(幅広い場面で使われる日本語を理解することができる)やN2(日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。採用等で条件になることが多い)という高いレベルをとっていても、話すレベルはCEFRで「基礎段階」とされるAレベルの人が73名(A2High-N1:3名、A2High-N2:58名、A2-N1:2名、A2-N2:10名)いました。これは「読む」「聞く」という受信技能の高さと、「話す」という発信技能の高さは相関しないことを示しています。

■読む・聞くのレベルが低いのに、話す力が高い人は少ない
話すレベルがB2とは、自分が得意とする分野ではなくても、幅広い口語表現を使いながら会話に積極的に参加できるレベルです。PROGOS® Japaneseでこのレベルに判定された人のなかに、日本語能力試験のレベルがN5・N4(初級)・N3(中級)の人はいませんでした。つまり、明確な相関関係はないとはいえ、ある程度の受信技能(読む・聞く)がないと、発信技能(話す)を身につけることは難しいといえます。

国際的な語学力基準CEFRとは

CEFR(セファール/シーイーエフアール)とは、Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment(日本語訳:ヨーロッパ言語共通参照枠)の略で、ヨーロッパで、「外国語学習者の習得状況・言語運用能力」を示す共通の参照枠として設けられました。「課題が達成されたかどうか」「課題がどのくらいうまく達成されたか」を重要な評価項目としています。日本では文化庁が、CEFRを参考に作成した「日本語教育の参照枠」を通して、外国人等が適切な日本語教育を継続的に受けるためのさまざまな施策を推進しています。

日本語能力試験(JLPT)とは

 - 概要:日本語を母語としない人たちの日本語能力を測定し認定する試験
 - 主催:独立行政法人国際交流基金、公益財団法人日本国際教育支援協会
 - 年2回、国内外で実施。2022年は78万7954人が受験
 - マークシート方式。科目は言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解
 - N1~N5の5レベルで、N1が最もレベルが高い

YouTubeチャンネル「CEFR×日本語教育 by BABELMETHOD」を開設

YouTubeチャンネル「CEFR×日本語教育 by BABELMETHOD」を開設し、動画「CEFRレベル別発話サンプル」を公開しました。A2~B2Highまでの日本語学習者のイメージです。ぜひご覧ください。
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弊社は『日本語コミュニケーションで外国人の働くを楽しく』をミッションに、2021年6月に設立されました。日本には優秀な働く外国人がたくさんいながらも、コミュニケーションによるストレスや不便さを抱えている人も多く、それを払拭していきたいと考えています。
バベルメソッド株式会社 代表取締役 河澄章代